リスト:ピアノ協奏曲第1番&第2番 / リヒテル, コンドラシン, ロンドン交響楽団

2018.08.04 Saturday

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    岩のように硬く、羽のように軽やかに。変幻自在、そしてスクエアな演奏はリヒテルの真骨頂と言ってもいいのかもしれない。そしてその多彩なピアノの音色を引き出すオーケストラも雄弁に奏でる。

     

    リストの協奏曲はバレンボイム盤で所有していたのだけれども、正直なところ、その演奏にはさほどの魅力を見出せなかった。むしろ「リストはまだ自分には難しいのではないか」との思いを抱いたほど。

     

    ところがこのリヒテル盤を再生し始めた瞬間、「これだ!」と文字通りの衝撃が自分の中を突き抜けた。バレンボイム盤ではどこか霞んで見えたピアノの旋律も、リヒテル盤だと鮮烈に聞こえてくるのだから不思議なもので。

     

    それはやはり自分とリヒテルとの相性が良いのか、純粋に好みの問題なのか。リヒテルの見えない指の動きに耳が釘付けになるのだから、その両方以上のものがあるのだろう。

     

    東西が分断されていた歴史の中で、西側での演奏が許されなかったというリヒテル。もしその時にドイツ・グラモフォンが東側に渡ってリヒテルの録音をしていなかったならば、このような鮮やかな演奏も記録に残ることはなかったのかもしれないと、今となれば歴史が動かしたとも言えるありとあらゆる情熱が、ここには込められているのかもしれない。

     

    そう考えると、リヒテルという歴史的アーカイヴを今の時代に平和裡に聴けることは、実は贅沢中の贅沢を味わっているのではないかと心から思わせる、極上の時がここにはある。

     

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    リスト:ピアノ協奏曲第1番・第2番

     

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    2018.09.17 Monday

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