シューマン:交響曲第3番 / ラトル, ベルリン・フィル・ハーモニー管弦楽団

2018.03.24 Saturday

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    「歓喜と自省の輪舞」

     

    シューマンを代表する4つの交響曲の中から1曲を。

     

    滔々と流れゆく音に身を任せることの出来る楽曲の一つ。それは楽曲の持つ抱擁力から来るものであり、その抱擁力こそがクラシック音楽の持つ力ではないかと考えさせられる。同時に音楽が導く多幸感とカタルシスを得ることの出来る楽曲でもある。

     

    それは決して派手な印象を与えるだけのものではない。曲全体を覆うような華やかさとは対照的に、進みゆく音の中で自らへの問いかけを求められる側面もまた存在する。内省的とも形容可能なものであり、音楽を前にして自らが何を思うか、何を訴えかけられているかと言った、禅問答にも似た思考のゲームが繰り広げられているようにもまた感じられるのだ。

     

    果たして多幸感における幸せとは何を基準として幸せとするか。どこを切り取ると、この楽曲から内省なる言葉が出てくるのか。

     

    この短尺の楽曲の中で、シューマンはパレットに色とりどりの絵の具を並べ、「お好きなように」と、解釈を勧めているようにも感じられる。それは作曲家に許される無責任さであり、聴き手に許される自由でもある。

     

    聴き手の解釈を縛る音楽が存在するのと同時に、これほどまでに自由度の高い音楽もまた存在する。数多あるクラシック楽曲の中では小品に過ぎないかもしれないが、そこに込められた問いかけと言うフックの多さが、この曲が持つ最大の魅力ではないだろうか。

     

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    ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団,サー・サイモン・ラトル,シューマン
    Berliner Philharmoniker Recordings
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    (2015-09-20)

    コメント
    【コメント的裏話】
    あちこちでレコーディングされているシューマンなので、特にラトルのそれに限定する必要はなかったのだけれども、やはり特定の指揮者、特定のオケから引き出される色の違い、そしてその違いから引き出される言葉の違い、と言ったものは存在するな、などと思いながら、これを書いていたわけです。所有の別オケのシューマンだと、また全く違うインプレッションが出てくるんだろうな。
    • by K.Sato
    • 2018/04/07 6:41 AM
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